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歯科ホワイトニングの悩みに役立つ書籍

驚いたことに、90センチも離れたベンチに置いてあった蛍光板がかすかな光を放ったのだ。 もう一度放電すると、ふたたび同じ現象がおきた。 蛍光板をさらに遠くに離して何度もくりかえしたが、やはり結果は同じ。 これは陰極線ではない、なにか別の放射線の作用によるものだろう、とレントゲン教授は考えた。 「蛍光板の前に手をかざしてみればまわりの組織はかすかに輪郭がわかる程度に写るだろう」とレントゲン教授は書いている。 教授は、この現象が蛍光板だけでなく、写真板でもとらえられることを発見し、「X線」と名づけた。 この放射線の威力を示すために撮影した愛妻の手の写真は、欧米の新聞雑誌にセンセーショナルに掲載された。
これが、人間を写した最初のX線写真である。 レントゲン夫人は世界で最も有名な「手のモデル」になった。
「X線の発見は、診断法の歴史にかってないほど激しく世間の関心を掻きたて、一般の人々を騒ぎに巻きこんでいった。
それは体表と体内の差を消し去ったようなものだった。 いずれも、いまや視覚的な検査の対象とされるようになったからである」(スタンリー・J・ライザー『診断術の歴史』春日倫子訳、H社)なるほど、「レントゲン」以前の医師たちは、現代の私たちからみればまるで闇雲に、みえない敵と闘っていた。
17世紀にいたるまで、医師たちは痛みや不快感を訴える患者の言葉を聞き、その外見と体液(ヒューモア)の状態をひたすらに観察することで、診断を下していた。 18世紀になってようやく、ジョバンニ・バッティスタ・モルガーニとその後継者たちが、死体を解剖して病理的変化の痕跡をみつけ、患者が訴えていた症状と結びつけた。
1816年、35歳だったルネ・テオフィル・ヤサント・ラエネクは、パリの病院で心臓に異常のある若い女性をみた。 患者の胸に耳をあてて心音を聞きたかったが、はばかられる。
そこで、数枚の紙を筒状に丸めて、患者の胸と自分の耳との間にあててみた。 こうしてラエネクは聴診器を発明したと伝えられる。 聴診器が医療におよぼした影響は、印刷術が文化にもたらした影響にたとえられる。

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